インボックスの内容を見ていくと、単なるアクションと言うには少し複雑で、規模の大きなものがあります。たとえば、休暇や引っ越しなどを計画する項目は、処理しやすいように、より小さな部分に分けると便利です。このような項目がプロジェクトです。
プロジェクトとは、複数のアクションで構成される項目のことです。一般に、プロジェクトはアクションより複雑であり、関連する複数のアクションを含めることができます。
プロジェクトは必要に応じて細かく作成できます。また、プロジェクトのタイプは「順次進行」、「並列進行」、または「単独アクション」の論理的グループとして指定できます。
ペーパーアートの作成など、プロジェクトの中には 1 つのアクションを完了しないと次のアクションを開始できないものがあります。このようなプロジェクトを順次進行プロジェクトと言います。
順次進行プロジェクトには、あらかじめ決められた順序で遂行しなければならないアクションが含まれています。最初の項目を完了しないと、次の項目へ進むことはできません。順次進行プロジェクトの別の例としては、宇宙飛行士がロケットの打ち上げシーケンスで使うチェックリストが挙げられます。リスト内の各項目は、それぞれ前の項目が完了しないと着手できません。
並列進行プロジェクトは、複数の場所から何らかのアイテムを集める場合など、どの順序で遂行してもかまわないアクションから成ります。並列進行プロジェクトの場合、未完了のアクションはすべて処理可能です。そのため、「最初の処理可能」なアクションは単にリスト内の最初のアクションという意味にすぎません。
参考
並列進行プロジェクトと順次進行プロジェクトの違いは、処理可能なアクションだけが表示されるように表示オプションを設定したとき、最も顕著に現れます(順次進行プロジェクトの場合、最初の処理可能なアクションの後にあるアクションはブロックされ、非表示になります)。その他の表示設定でも違いはありますが、それほど顕著ではありません。順次進行プロジェクト内の後続アクションについては、タイトルが黒ではなくグレイで表示されます。
iPad で「プロジェクト」パースペクティブを表示すると、各プロジェクトの左側にそれぞれプロジェクトのタイプを示すアイコンが表示されます。これらのアイコンに注意しながらプロジェクトのリストにすばやく目を通し、それぞれのプロジェクトのタイプを把握できます。iPhone の場合は、エディタが表示されるまでプロジェクト名をタップします。プロジェクトのタイプが「情報」タブに表示されます。
ヒント
プロジェクトで適切な依存関係を柔軟に作成するには、順次進行プロジェクト内に並列進行のアクショングループを含めること(またはその逆)を考慮してください。
単独アクションリストは、従来の意味でのプロジェクトではなく、互いに依存しない、それとなく関連したアクションのリストです。単独アクションリストの良い例としては、たとえばショッピングリストプロジェクトが挙げられます。このプロジェクトには、スーパーマーケットで買う必要のある品物のリストが含まれています。スーパーマーケット内でこれらの品物を探し、完了(つまり、獲得)した時点でチェックマークを付けることができます。品物を集める順序は重要ではありません。また、すべての品物を同じ日に買わなければならない理由もありません。これらの品物は、単に買えればよいのです。
一般に、単独アクションリストは、達成したい状態(アプリを出荷、休暇をとる、新しいアパートを見つける)というよりはむしろ、概して継続したい状態(猫の世話、新鮮な食料があること、家が機能的であること)に関して作成されます。別の見方をすれば、単独アクションリストに期日があったり、完了時にチェックマークを付けたりすることは稀だと言えます。つまり、単独アクションリスト内の項目にはチェックマークを付けられますが、プロジェクト自体は継続します。
グループはプロジェクト内に別のプロジェクトを作成する際にも使用できます。このようなグループをアクショングループ(またはサブプロジェクト)と呼びます。1 つのアクションに多数の段階が要求される場合には、そのアクションを別のプロジェクトとして分離することができます。しかしそれよりも、そのアクションを現在のプロジェクト内に残したまま、関連する複数のタスクをその下位に移動した方が良い場合もあります。
たとえば、北海道への引っ越しを予定している場合は、事前に現地に出向いて新しい住居を見つけなければなりません。それには、航空券を予約する、レンタカーを手配する、ホテルを予約する、アパートまたは家を見つけてもらう不動産業者との予約をとる、などのタスクが伴います。これらのアクションを「北海道への引っ越し」プロジェクト内で作成し、「住宅探しを計画する」アクションの中に移動することで、アクショングループが出来上がります。
それでは詳しく見ていきましょう。OmniFocus for iOS では、以下の要領でアクショングループをプロジェクトに追加します。
サイドバーまたはホーム画面で「プロジェクト」 をタップし、変更するプロジェクトを開きます。
右上にあるツールバーのプラス記号のボタン をタップして新しいアクションを作成します。
作成しようとしている新しい項目に、必要なすべての手順を説明するような名前を付けます。
ツールバーの「保存 +」ボタンをタップします。
この次の項目に、グループ内の最初のアクションを表す名前を付けます。ただし、今回は「保存」ボタンをタップします。
作成したばかりの項目を見つけ、その項目をタップしてエディタを開きます。
次に、ツールバーの「移動」 ボタンを使用して(iPhone の場合はエディタの「情報」パネルの下部にあります)、その項目を手順 3 で作成した項目の中に埋め込みます。
右上にある「完了」ボタンをタップすると、作成したアクショングループが表示されます。これで、プラス記号のボタンを使用して、追加する必要のある残りの項目を作成できます。これらの項目はグループ内に作成されます。
アクショングループを作成した後、そのタイプを「並列進行」から「順次進行」に変更できます。そうすれば、前のタスクにチェックマークを付けない限り、次のタスクに進むことはできなくなります。そして、サブプロジェクトの最後のアクションが完了すると、その親のアクションにもチェックマークが付けられます。
ヒント
アクショングループを作成するには、もう 1 つの方法があります。先にアクショングループをプロジェクトとして作成し、その中に必要なアクションを入れます。そして、そのプロジェクトをアクションに変換した後、目的のプロジェクト内に移動するという方法です。
類似した複数のプロジェクトがある場合、それらのプロジェクトを一目で確認できるように 1 箇所にまとめたいと思うことがあります。これらのプロジェクトにはそれぞれ異なる目標、タイムライン、または目的があるかもしれませんが、1 つのグループとしてまとめることは可能です。OmniFocus のフォルダを使用すれば、このようなプロジェクトを複数集めて 1 つのグループにすることができます。
プロジェクトフォルダは、「プロジェクト」パースペクティブ(サイドバーまたはホーム画面の「プロジェクト」)のツールバーにあるプラス記号のボタンをタップし、ポップアップから「新規フォルダ」を選択することで作成できます。プロジェクトをフォルダ内に移動するには、そのプロジェクト(中に含まれているアクションではなく)をタップしてプロジェクトの詳細を表示し、「移動」ボタンをタップします。その後、プロジェクトを入れる目的のフォルダを選択すれば、そのプロジェクトが新しい場所に移動します。
フォルダの見た目は通常のプロジェクトと少し異なります。プロジェクトリスト内のフォルダには アイコンが用いられます。フォルダを開き、その中のプロジェクトを表示するには、そのフォルダをタップするだけです。
順調に進んだプロジェクトは、最終的に終わりを迎えます。「新居に引っ越す」、「ハロウィンかぼちゃのランタンを作る」、または「ドラゴン小説を書く」などの目標が達成されたら、そのプロジェクトのステータスを完了にします。
プロジェクトを選択し、エディタの「ステータス」セクションにある「完了」 を選択します。完了したプロジェクトを再び閲覧したい場合は、表示オプションを「すべて」に変更するか、「すべて」フィルタを使ってプロジェクトを検索します。
プロジェクトを開始(または続行)することに迷いが生じた場合には、そのプロジェクトのステータスを「アクティブ」から「保留中」 に変更できます。プロジェクトのステータスを保留中にすると、そのプロジェクトはサイドバーまたはホーム画面およびメインアウトラインのプロジェクトリストから削除されます(表示オプションでアクティブなプロジェクトを表示するように指定していた場合)。
「プロジェクト」パースペクティブの表示オプションを「残り」に切り替えれば、保留中のプロジェクトを見直すことができます。そして、それらのプロパティをアクティブにすべきか、取り止めるべきか、または完了マークを付けるべきかを判断できます。
ヒント
プロジェクトリストが保留中のプロジェクトで混雑するのを避けたい場合は、「プロジェクト」パースペクティブの表示オプションを「処理可能」にしたまま、「レビュー」パースペクティブの表示オプションを「残り」に変更します。そうすれば、すべてのプロジェクトをレビューするときに、保留中、延期、ブロック済みのものがすべてサイドバーに表示されるので、プロジェクトやアクションを再びアクティブにするかどうかを決定できます。詳しくはレビューに関する章を参照してください。
プロジェクトの作業中止を決意した場合は、そのプロジェクトのステータスを「取り止め」 にすることができます。「取り止め」にすると、そのプロジェクトはサイドバーから消え、それに含まれているアクションも非表示になります。もちろん単にプロジェクトを削除してもかまいませんが、その場合、そのプロジェクトやそれに含まれていたアクションも削除され、その存在を確認できるものがなくなってしまいます。プロジェクトを取り止めの状態にしておくことで、それらのプロジェクトに戻り、取り止めたプロジェクトの頻度を確認したり、どのアクションが完了しているか(プロジェクトとの関連性に関係なく)を確かめたりできます。
取り止めたプロジェクトをデータベース内で検索するには、表示オプションで「すべて」を選択するか、「すべて」フィルタを使ってそのプロジェクトを検索します。
参考
取り止めた項目や完了した項目は、時間が経つにつれデータベース内に溜まります。データの読み込みに負荷がかかりすぎていると思われる場合は、指定のパラメータに従ってこれらの項目をアーカイブできます。