OmniGraffle エクストラ
OmniGraffle 6.1 には、他の Mac アプリからファイルを読み込んだり、それらのアプリに書き出したりできる機能をはじめ、多くのエクストラが搭載されています。これは Microsoft® Visio® や Adobe® Photoshop® をお使いの方には特に重要な機能ですが、これらのフォーマットのファイルを読み込んだり書き出したりするには OmniGraffle Pro にアップグレードする必要があります。
このセクションでは、読み込み/書き出しのほか、OmniGraffle に備わっている以下の高度な機能についても少し触れます。
- AppleScript サポート(OmniGraffle Pro が必要)
- LinkBack サポート
- OmniGraffle での正規表現の使用
他のアプリケーションから読み込む
OmniGraffle では、いくつかのファイルフォーマットを認識できます。これらのファイルは、通常の OmniGraffle ファイルを開くのと同じ要領(「ファイル」▸「開く」、または Command-O)で読み込むことができます。
- (Pro)Microsoft® Visio® の描画ファイル、テンプレート、およびステンシル(.vsd、.vsdx、.vdx、.vst、.vtx、.vss、.vsx)
- OmniGraffle Pro では、Microsoft® Visio® ダイアグラム作成ソフトで保存した XML ベースのファイルフォーマット(およびそのオリジナルのバイナリファイルフォーマット)の書類を読み込むことができます。ただし、バイナリフォーマットは開けますが、バイナリフォーマットに書き出すことはできません。OmniGraffle ダイアグラムとして保存するか、XML フォーマットに書き出す必要があります。また、Microsoft® 拡張メタファイル(EMF)フォーマットのグラフィックを読み込むことはできません。
- PDF ファイル(.pdf)
- PDF ファイルを OmniGraffle に読み込むには以下の 2 通りの方法があります。
- 「ファイル」▸「開く」を使用し、作業対象の PDF ファイルを指定します。OmniGraffle は、その PDF ファイルを編集可能な図形として読み込もうとします。
- PDF ファイルをキャンバス上にドラッグします。すると、PDF ファイルがイメージとして配置され、その上にメモ、注釈、およびその他の標準の OmniGraffle オブジェクトを追加できるようになります。
- DOT ファイル(.dot)
- OmniGraffle では、Graphviz で使用される DOT 言語の一部を認識できます。これは DOT の完全実装ではありませんが、とても便利な機能です。
- Diagram! 2 書類(.diagram2 と .dpalette2)
- Diagram は、OmniGraffle に似た NeXTSTEP/OPENSTEP アプリケーションです。OmniGraffle では Diagram ファイル内のオブジェクトを読み込めますが、添付されている EPS イメージ、サウンド、リンクは読み込めません。
- OmniOutliner 書類(.ooutline と .oo3)
- OmniOutliner ファイルを開くと、アウトラインの項目はダイアグラムとして解釈されます。ダイアログが表示されるので、そこでアウトラインの解釈方法を指定します。ポップアップリストを使用してダイアグラムのスタイルを選択します。
- OmniOutliner 書類(.ooutline と .oo3)
(Pro)表を使用してダイアグラムスタイルのオブジェクトをアウトラインの列に割り当てます。各項目について複数の情報列を表示したい場合は、グループ化されたオブジェクトを持つダイアグラムスタイルを使用します。また、オブジェクトのメモに列を割り当てることも可能です。
(Pro)アウトラインを完全に新しい書類に配置するのか、開いている書類の新しいキャンバスに配置するのかを指定します。
- (Pro)Xcode プロジェクト(.xcode)、Project Builder プロジェクト(.pbproj))、およびフレームワーク(.framework)
- OmniGraffle は Objective-C ヘッダを使用して継承、プロトコル、およびカテゴリの関係のダイアグラムを構築します。
- (Pro) Interface Builder nib ファイル(.nib)
- OmniGraffle は視覚化しやすいように nib ファイル内の接続をグラフ化します。
- EOModeler ファイル(.eomodeld)
- OmniGraffle は、ファイルによって記述されているデータベースの関係のダイアグラムを作成します。
- フォルダ構造
- Finder からフォルダをドラッグし、OmniGraffle のアプリケーションアイコンにドロップすると、フォルダの内容がダイアグラムとしてマップされます。
さまざまなフォーマットに書き出す
OmniGraffle のダイアグラムからさまざまなタイプのファイルを作成できます。「ファイル」▸「書き出す」(Option-Command-E)の順に選択します。書き出すと、新しいファイルがディスクに書き込まれ、元の書類は画面上にそのまま残ります。もちろん、ダイアグラムのすべてのアスペクトをすべてのファイルフォーマットで表せるわけではありません。
使用可能なファイルフォーマットは以下のとおりです。
- BMP ビットマップイメージ — 古いグラフィックフォーマット。
- EPS ベクターイメージ — カプセル化された PostScript。これはプロフェッショナルなプリンティングでよく使われるフォーマットです。
- GIF ビットマップイメージ — Web 上で広く使用されている古いグラフィックフォーマット。
- HTML イメージマップ — ハイパーテキストファイルと JPEG、PNG、または GIF イメージ。元の OmniGraffle 書類の URL アクションはリンクとしてイメージマップ内にコード化されるため、イメージをクリックすることでアクションが実行されます(線に割り当てられたアクションは含まれませんが、線ラベルに割り当てられたアクションは含まれます)。
- JPEG ビットマップイメージ — 広く使われている圧縮型のイメージフォーマット。画質を落とせば、ファイルサイズがより小さくなります。
- OmniGraffle 書類(Pro)— OmniGraffle 書類。ファイルを読み込み専用(編集不可能)にすることができます。また、リンクされたイメージをファイルに含めることで、それらのイメージを他の人のコンピュータ上で正しく表示させることができます。
- OmniGraffle ステンシル、OmniGraffle テンプレート — OmniGraffle のリソース。
- OmniOutliner 3 — 図形間の接続線を使用して階層を作成し、ダイアグラムをテキストアウトラインとして表します。厳密にツリー状ではない構造のダイアグラムには適していません。
- PDF ベクターイメージ — PDF は Portable Document Format(ポータブルドキュメントフォーマット)の略です。ベクターコンポーネントとビットマップの両方をうまくサポートするクロスプラットフォームフォーマットです。
- PNG ビットマップイメージ — PNG は Portable Network Graphics(ポータブル・ネットワーク・グラフィックス)の略で、Web でよく使用されます。このフォーマットはロスレス圧縮を使用しており、イメージの詳細を保ちながら、ファイルサイズを小さくすることができます。透明をサポートします。
- Photoshop® イメージ(Pro)— Adobe® Photoshop®、または .psd ファイルの解釈が可能な他のグラフィックアプリで開くことのできる、レイヤー化された .psd ファイルを書き出します。
- SVG ベクター描画(Pro)— XML を使用するオープンなインターネット標準。
- TIFF ビットマップイメージ — TIFF は Tagged Image File Format(タグ付きイメージファイルフォーマット)の略です。このフォーマットは透明をサポートします。
- Visio® XML 書類(Pro)— Microsoft® ダイアグラム作成アプリケーション用の XML ベースのファイルフォーマットです。
使用できるオプションは、指定したファイルフォーマットによって異なります。ほとんどのフォーマットでは、書類内の書き出す範囲を指定するためのオプションを使用できます。
- 現在の選択部分 — 現在選択されているオブジェクトだけを書き出します。
- すべてのオブジェクト — 空白の領域を除き、キャンバス上のすべてのオブジェクトを書き出します。
- 特定の領域 — キャンバス上の領域のうち、書き出す正確な領域を指定します。
- 現在のキャンバス — キャンバス全体を書き出します。
- 書類全体 — 各キャンバスにつき 1 つのイメージファイルを作成することで、書類全体を書き出します。
選択したフォーマットによっては、実際のサイズより小さく、または大きく書き出すためのスケール、解像度、圧縮レベル、および背景を透明にするかどうかを指定することもできます。
AppleScript サポート(Pro)
OmniGraffle では AppleScript が広範囲にわたってサポートされているため、タスクを自動化したり、新規の OmniGraffle プロジェクトを作成したりする作業を簡単に自動化できます。OmniGraffle の AppleScript オブジェクトモデルやコマンドについて詳しくは、AppleScript エディタ(/アプリケーション/ユーティリティ、または Finder 内で Shift-Command-U を使用)を起動するか、「ファイル」▸「用語説明を開く」の順に選択し、「用語説明を開く」ダイアログでお使いのバージョンの OmniGraffle を選択してください。
AppleScript は、「スクリプト」メニューから簡単にアクセスできるように OmniGraffle のスクリプトフォルダに保存できます。また、アクションインスペクタを使用して、スクリプトをキャンバス上の個々のオブジェクトに添付することも可能です。ブラウズツールをアクティブにしたとき、スクリプトが添付されたオブジェクトをクリックすると、スクリプトが実行されます。
いくつかのオブジェクトを選択し、メニューバーから「編集」▸「指定フォーマットでコピー」▸「AppleScript」の順に選択すると、これらのオブジェクトを作成するのに必要な AppleScript の行を得ることができます。この方法は、OmniGraffle の AppleScript サポートがどのように機能するのかを学んだり、自分で作成したスクリプトに特定のオブジェクトを追加するのに便利です。
LinkBack
LinkBack は、あるコンテンツをその作成元のソフトウェアに戻って編集できるように、そのコンテンツを 2 つのアプリケーション間に埋め込む手段です。
LinkBack および LinkBack をサポートしているアプリケーションのリストについては、GitHub の LinkBack リポジトリをご覧ください。
OmniGraffle コンテンツを別の LinkBack アプリケーションに埋め込むには、通常どおりにそのコンテンツをコピーしてペーストするだけです。他のアプリケーションのコンテンツを OmniGraffle ダイアグラムに埋め込む場合も同じです。
OmniGraffle コンテンツを OmniGraffle の単一のオブジェクト内に埋め込むには、キャンバス上のすべてのオブジェクトを選択し(Command-A)、メニューバーから「編集」▸「指定フォーマットでコピ」▸「PDF」の順に選択して、「ペースト」(Command-V)を選択します。コピーしたオブジェクトは単一のイメージになり、そのオブジェクトをダブルクリックすると新しい OmniGraffle ウインドウが開いて、埋め込まれているオブジェクトを編集できるようになります。
別のアプリケーションに埋め込まれた OmniGraffle コンテンツを編集するには:
もう一方のアプリケーションの書類で OmniGraffle コンテンツをダブルクリックします。すると、そのコンテンツを含む OmniGraffle ウインドウが表示されます。
通常どおりに、OmniGraffle ウインドウでコンテンツを編集します。
OmniGraffle で「ファイル」▸「保存」を選択します。すると、もう一方のアプリケーションでコンテンツが自動的に更新されます。
OmniGraffle ダイアグラムに埋め込まれた他の LinkBack アプリケーションのコンテンツを編集するには、そのコンテンツをダブルクリックします。そのアプリケーションで変更を保存すると、OmniGraffle ダイアグラムのコンテンツが更新されます。
OmniGraffle で正規表現を使用する
OmniGraffle の「検索」ダイアログでは、いくつかの簡単な正規表現を使用できます。正規表現とは、一連の文字列を表す 1 つの文字列のことです。以下の構文が使用されます。
a*
— 0 個またはそれ以上のa
のインスタンス(可能な限り長い文字列に一致)a*?
— 0 個またはそれ以上のa
のインスタンス(可能な限り短い文字列に一致)a+
— 1 個またはそれ以上のa
のインスタンス(可能な限り長い文字列に一致)a+?
— 1 個またはそれ以上のa
のインスタンス(可能な限り短い文字列)a?
— 0 個または 1 個のa
のインスタンス^
— 行の先頭$
— 行の末尾.
— 任意の文字[a-z]
—a
~z
間のすべての文字[abc-]
—a
、b
、c
、または-
(abc)
—abc
に一致し、それをグループとして保存します。「検索」ダイアログの「選択または置換」ポップアップメニューを使用すると、正規表現全体ではなく、これらのグループの 1 つだけを選択または置換できます。\1
— 最初に一致したグループのテキストa|b
—a
またはb
\n
— 改行\r
— 行頭復帰\t
— タブ文字\d
— 数字\D
— 数字以外の文字\w
— 単語を構成する文字(英数字またはアンダースコア)\W
— 単語を構成する文字以外の文字\s
— 空白文字\S
— 空白以外の 1 文字\
— 次の文字をエスケープ
正規表現は広く一般に利用されているため、インターネット、図書館、または書店を通じて正規表現に関する多くの情報を得ることができます。まずは使ってみてください。以下にいくつかの例を挙げます。
&\s*$
— 行の末尾にある空白文字に一致します。<.*?>
— XML タグなど、<
で始まり>
で終わる文字列に一致します。&\S+@\S+
— メールアドレスなど、「任意@任意」にあてはまるすべての文字列に一致します。(19|20)\d\d-\d\d?-\d\d?
— 1900 から 2099 までの、YYYY-MM-DD 形式の日付に一致します。